漬物の乳酸菌
ぬか漬けのタクアンや塩漬けのスグキ漬けに代表される
微生物による自然発酵で醸し出される酸味や香りはまさに漬け物ならではのものです。
特にぬか漬けを作る際のぬか床は、野菜などについていた乳酸菌や酵母菌が入って増殖し、
発酵することによってなんとも言えぬ風味を醸し出します。
このように漬け物は家庭で作れる一番身近な発酵食品なのです。
例えばタクアンは大根を塩と糠で漬け込んでから、
最低三ヶ月をかけないとタクアンにはなれません。
やはりどの発酵食品にもいえることですが手間と時間がその味と質を際立たせます。
しかし、現在の市販されているタクアンは単なる塩漬け大根のようなものがほとんどで、
へたしたら一週間もたたぬうちにきれいに着色されて店頭にならんでいるのが現実です。
また、漬け物の本道であるはずの乳酸発酵を抑えて、その代わりに化学調味料を添加し、
「人工的にうまい味」を売り物にしている漬け物も少なくありません。
このような漬け物モドキは別として、
しっかりと時間をかけたぬか漬けは乳酸菌や酵母菌、
さらにこれらの有用菌がつくりだす様々な酵素などを含め、
わたしたちになくてはならない宝物を供給してくれているのです。
最近、乳酸菌関連の飲料や食品がやたらと出回っていますが、
乳酸菌信仰が一人歩きして、身近な漬け物が忘れ去られているような気がします。
乳酸菌と言う言葉に「乳」という文字が入っているため、
乳酸菌は乳製品からしか摂りいれられないと思っている方も多いようですが、
実際には、通常の乳酸菌食品や飲料では食べたり、飲んだりしても
腸にはなかなかとどかないのが現実のようです。
しかしぬか漬けは、乳酸菌や様々な有用菌とともに
しっかりと腸まで届くと言うから驚きです。
昔の日本人て凄いですね。


